認知症(もの忘れ)外来について
年齢とともにもの忘れがひどくなったりするのは、自然な老いであり、病気ではありません。ただ中には病気によって急速にもの忘れなどが進行してしまう患者様がいます。これらの病気を早期に発見し、治療を行う、適切な福祉サービスにつなげるなどは、患者様本人だけでなく、周りの家族にとっても大事なことです。当クリニックでは、患者様、家族様から普段の様子を聞き、診察、各種検査などから診断を行い、適切な治療、福祉サービスにつなげていきます。最近、急にもの忘れが急に進んだ、前にできていたことが急にできなくなった、前と様子が違うなどがあれば、気軽に受診していただければと思います。
当院の認知症治療の特徴
① 専門的な検査
症状だけでは認知症か判断できない場合も、臨床心理士による認知機能検査、頭部MRIやSPECTなどの画像検査を行い診断を行います。
当院では下記の病院と連携し、診断に必要な画像検査を行ってまいります。
MRI検査
入院・高度な治療が必要な場合
② 周辺症状の治療
認知症の症状には記憶障害や見当識障害といった中核症状だけでなく、不安や抑うつ、不眠、幻覚や妄想、暴言や暴力といった周辺症状を呈する方がおられます。当院には精神科専門医が在籍しており、これらの周辺症状に対する治療に力を入れております。
認知症の種類
軽度認知障害:Mild Cognitive Impairment(MCI)
正常とは言えない認知機能低下があるものの、認知症の診断基準を満たさないものを軽度認知障害(MCI)と呼びます。基本的な日常生活は正常に行えるということが大きな特徴です。日本には約400万人存在し、5年間で約40%の方が認知症に移行すると言われております。
アルツハイマー型認知症
認知症の約60%を占めるアルツハイマー型認知症は、異常たんぱく質が脳に蓄積し、正常な神経細胞が壊れ脳萎縮をおこす病態と言われております。緩徐に進行し、記憶障害や判断力の低下がみられます。
脳血管性認知症
認知症の約20%を占める脳血管性認知症は脳梗塞や脳出血などの血管の病気によって引き起こされます。脳の細胞に栄養を送れなくなり、細胞の機能が失われ認知機能が低下します。脳の障害を受けた部位により出現する症状は異なります。
レビー小体型認知症
認知症の約20%を占めるレビー小体型認知症は、レビー小体というたんぱく質が蓄積し、神経細胞が破壊され症状が出現します。パーキンソン症状や幻視、繰り返す転倒、日内変動などが特徴的です。
前頭側頭型認知症(ピック病)
前頭側頭型認知症は脳の前頭葉と側頭葉が萎縮し、血流が低下することにより様々な症状が出現する神経変性疾患です。自発性の低下や抑制が効かなくなること、同じ行動を繰り返すことが特徴です。